シリコンは、優れた耐熱性や絶縁性、低毒性などから、さまざまな製品に利用が進んでいます。しかし、シリコンがさまざまな用途に利用されるには、他にも優れた特性を持っているからです。例えば熱に関してですが、シリコンは耐熱性が高いというだけではなく、低い熱伝導率を持っています。
そのため調理器具などで使用する場合、熱が伝わりにくいため、直接持ち手に対して熱が伝わることがなく、また一般的には耐熱性が注目されていますが、シリコンは耐寒性にも優れた特性を持っています。
シリコンの幅広い温度安定性は、シリコンの分子構造に由来しています。シリコンの分子構造は、ケイ素と酸素が螺旋状に連結して構成されています、この原子と原子の距離が長いことから、原子同士がくっつきにくく、低温下においてもかたまることがありません。
このシリコンの最大の特性の一つでもある広範囲における温度安定性は、他のプラスチック素材では再現することが難しく、シリコンがあらゆる産業で多用される理由の大きなものでもある。
さらに、シリコンが持つ重要な特性の一つとして電気絶縁性がある。電気絶縁性の用途は幅広く、例えば自動車のプラグやワイヤーなどの部分にも使用されシリコンの層によって絶縁される。その他水をはじく撥水性や、耐紫外線性、高いガス透過率といった性能が挙げられます。
シリコン素材の最大の特徴の一つは、極めて広い温度範囲での安定性です。
シリコン素材は、通常-50°C から220℃という非常に広い温度範囲で、その物性や柔軟性を維持することができます。
耐熱性 |
220℃の高温環境下でも長期的に安定し、一般的な合成皮革のように溶融したり、硬化したり、有害なガスを発生させたりしません。これは消防手袋にとって極めて重要であり、高温の火災現場において信頼性の高い熱保護を提供します。 |
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耐寒性 |
-50°C のような極寒の条件下でも、素材の弾性と柔軟性を保ちます。 これにより、消防士の方が低温環境で作業する際にも、手袋が脆くなったり、操作性が損なわれたりするのを防ぎます。 |
シリコン素材は、素材自体が優れた電気絶縁性能を持っています。
そのシロキサン結合(ケイ素-酸素結合)構造により、優秀な絶縁体として機能します。
体積抵抗率は一般的に 10の14乗のレベルに達します。
また絶縁破壊電圧は20kV/mmあります。
これは、一般的なプラスチックやゴムと比べても負けない、トップクラスの電気の流れにくさで電流を効果的に遮断し、帯電物との接触による感電のリスクを防ぐことを意味します。
消防・救助活動においては、水濡れした電気設備や損傷した電源ケーブルなどを扱う可能性があるため、この絶縁性は追加的な安全層を提供し、通常の皮革素材よりも大きなメリットとなります。
シリコン素材は非常に高い化学的安定性を示し、耐酸化、抗紫外線といった一般的な化学物質による侵食に耐えることができます。
特に、以下の種類の物質に対して優れた耐性を発揮します。
弱酸・弱アルカリ |
一般的な洗剤や希釈された酸性・アルカリ性溶液によって腐食したり、劣化したりすることはありません。 |
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一般的な溶剤 |
アルコール類(エタノールなど)や有機溶剤、油類に対しても高い耐性を持ち、清掃や消毒が容易に行えます。 |
消防環境での利点として化学物質の漏洩現場や、燃焼によって発生する腐食性の煙に接触する際にも、素材の化学的不活性性により手袋が急激に性能を失うのを防ぎ、消防士の皆様を長時間保護します。
シリコン素材の表面は、優れた撥水性(疎水性)を有しています。
シリコン素材の低い表面エネルギー特性により、水の接触角が非常に大きく、水や液体が素材表面に馴染みにくい(濡れにくい)性質を持っています。
このため水滴が球状になり、表面を転がり落ちるため、耐水性・防汚性が高まります。
消防手袋に使用するにあたり、手袋内部への水分の浸透を効果的に防ぎ、手のドライ感と快適性を保ちます。 また手袋が吸水による重量増加を起こすのを抑え、操作時の柔軟性を維持します。
そして水を使用する消火活動後や湿潤環境下でも、手袋の乾燥が速く、衛生状態を保ちやすくなります。
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